抱き癖付きのセントバーナードに出合ったことがある。飼い主さんはとても困っておられた。
とにかく、ウレシイと言っては抱かれようと飛びつき、疲れた・怖いといっては飛びつく。
「大きくなっちゃうと抱っこできないと思って」可愛い子犬時代にせっせと抱き上げていたそうだ。
すごく極端な例かもしれないが、ソファに座った人間の膝にもうれしそうにドンと座るのである。
自分が大きいなんて微塵も考えていない。無邪気なものだ。
おおらかな犬種だけに、重くて悲鳴をあげても喜ばれているとしか思わないようだった。
天真爛漫、飼い主が多少叱っても大きな舌でベロベロ顔を舐めて人を押し倒してしまう。(笑)
ちょうどTVでは「怒っちゃやーよ!」が流行っていて、子供たちの口癖になっていた頃の話。
同じ状態に近いラブには、一体何頭出会ったのだろう?
大きくなる犬に抱き癖を付けるのは、犬にとって非常に残酷なことだと思った。
じゃ、小型犬ならいいのか?
と、言われれば・・・私の知っている限りでは
小型犬ほど抱き癖をつけないほうが胆の据わった落ち着いた犬になる。
チワワなどは、抱っこしたくて飼う人が多いだろう。
だけど、小次郎は我が家に来て抱っこされなくなって、人への依存心が増し度胸が付いた。
これは、もっと小さかった極小のポメを育てる時に、そのブリーダーから教わったことだ。
1.5キロ前後のCHマルチーズ16頭を育てた方だった。
「小さい犬をちゃんと育てようと思ったら、大型犬だと思うことだよ。小さくても犬は犬なんだ。」