キタキツネと人間は、夫婦で子育てをする。そして、他人の子であってもわが子として育てる。
大人には、是非このことを知った上で観ていただきたい映画だと思った。
決して、不幸でかわいそうな子ぎつねの話ではないのだ。
原作の
「子ぎつねヘレンがのこしたもの」
も、是非読んで欲しい。
特に、犬を飼う人。
信頼とは何か?
社会化とは何か?
育てるとは?
きっと「ペット育て」の本よりも、
大切なものの確かな根っこのありかが
「命に関わるもの」の逃れられない
せつなさと共に見えてくると思う。
映画の方は、原作を元にして
生きることの意味や、
家族とは何かを問いかけてくる。
こんなに泣けた映画は初めてだと、
息子は言った。
我が家の父と子も、血のつながりはない。
だけど親子で家族だ。
そのことを「悪いもんじゃないんだ」
と、思えたと笑った。
ヘレンの短い命。
愛犬たちの命。
たくさんの命がのこしてくれたものを、
今もう一度抱きしめたい。
そんな思いで涙が止まらないエンディングだった。
なくしてしまった「アニマ」創刊号も帰ってきた。
私が息子の年のころに夢中になって読んだ
キタキツネの写真の表紙のこの雑誌を、
息子に見せてやりたかった。
古本屋さんに感謝である。
そして、親子2代の心を導いてくれた
キタキツネと竹田津実さんに感謝。